SSブログ

北海道新幹線反対? 函館が反旗を翻した事情と専門家の見方 [ニュース]

2016年3月、いよいよ北海道新幹線が運航を始める予定となっています。2016年3月に運航開始予定となっているのは、新青森から新函館北斗の区間。その後、札幌まで延伸し、2030年度末に延伸した区間を開業する予定となっています。

九州新幹線、北陸新幹線の開通時同様に注目を集めているわけですが、現時点では、札幌まで延伸をする計画について、北海道の全ての自治体が賛成しているわけではありません。函館市が「保留」しているのです。その理由とは一体何なのか。

函館市目線だけでなく、別の角度から語る専門家の意見も触れつつ解説します。

スポンサーリンク







北海道新幹線の基本データ


北海道新幹線は、北陸新幹線の終着地点である新青森駅と接続し、北海道において新幹線の運行を行うもの。JR北海道が管轄をしていく。

現在の計画におけるルートは、新青森→奥津軽いまべつ→木古内→新函館北斗
その後、新八雲(仮称)→長万部→倶知安→新小樽(仮称)→札幌と結ぶ予定。

なお、基本計画では旭川まで結ぶとされており、旭川では延伸を求める議論がなされています。

列車名については、運転区間ごとに分けられ、
東京・仙台~新函館北斗を直通運転する列車は「はやぶさ」
盛岡~新函館北斗間及び新青森~新函館北斗間を直通運転する列車は「はやて」
と命名されました。

hokkaido_shinkansen.jpg

函館から見る問題点~函館にはメリットがない~


札幌まで延伸、開業することになった時点で函館は終着駅でなくなり、利潤が札幌に流れていってしまう。ただでさえ札幌一極集中が叫ばれて久しい中、それがますますひどくなってしまい、函館が存亡の危機に立たされてしまう。

また、新幹線が開通・開業されると、並行して走る在来線はJRの経営から離れることになっている。新幹線とともに並行して走る在来線まで運行することは、JRにとって負担が大きくなる。そのための配慮、軽減措置だ。JRの手から離れた後は、第三セクターとなり、国・地方で負担をして「国民の足」を支えることになっているが、明らかに不採算であり、バス運行などの代替措置で足りると考えられた場合は、今まで走っていた鉄道が廃止されてしまう。今までJRの在来線を利用していた函館市民にとっても、決して歓迎できることではないだろう。

函館の地元財界も札幌への延伸について反対しているというのであれば、函館市として態度を「保留」し、抵抗するのも自治体の長としては致し方ないのかもしれない。

その他の問題点


スポンサーリンク






交通手段を選ぶ際の最大のポイントは「時間」です。新幹線としては、東京ー札幌間を結ぶ飛行機の移動時間と争いたいところですが、今のところ、厳しいのではないかとの指摘があります。そうなれば採算が見込めず、赤字に終わってしまうということです。ただし、鉄道も技術開発が進んでおり、十分勝負になるという説得的な意見もあります。

専門家の視点~北方大交流圏を形成すべし~


新幹線を初めとして、インフラストラクチャーの専門家として知られる藤井聡京都大学院教授の意見は、甚大な震災が起こる可能性が高まる中、東京一極集中は日本国にとってきわめて危険である。日本各地で新幹線網を張りめぐらせて交流圏を形成し、バックアップしていくことが国の強靭性につながる。北海道においては旭川まで延伸させ、北海道・北陸とつないで札幌を中心とした北方大交流圏をつくることが国益にかなうと指摘。

shinkansen_network.png

その他、現に多くの政令市は新幹線が整備された地域であり、新幹線は地方分散の起爆剤になること。また、飛行機・新幹線の移動時間問題についても、そもそも東京の人間のためのものではない。あくまでも北方大交流圏をつくるためのものだと指摘しています。確かに、元来の計画の意図は日本のための計画です。

北海道新幹線 今後の予定


2016年3月に開業予定だが、その正式な発表は本年(2015年)9月を予定しています。また、運賃の発表は10月、ダイヤの発表は12月になる予定。

おわりに


そもそも政治というものは、その対象がとてつもなく広く・大きくなるため、利益を得る者がいれば、不利益をこうむる者も必ず出てしまいます。その利益・不利益の立場、国があっての地方・地方あっての国と考えるか、目先を見るか・その先を見るか、さまざまな要因が絡んで意見の相違が出てしまい、本当に難しいなと改めて考えさせられました。国民一人一人の見据える先が一致していけばいいのですが。

北海道新幹線の今後に注目しましょう。

スポンサーリンク






タグ:雑学
nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:ニュース

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

トラックバック 0

トラックバックの受付は締め切りました
広告スペース
Copyright © 考論 All Rights Reserved.

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。